2016年11月24日木曜日

付記あり・自治会活動保険<続き>

 日曜日、また町内会の役員会があった。



 10月の役員会で、自治会活動保険の契約について、「現状の傷害保険(死亡300万/入院日額2000円/通院日額1000円)を維持し、支払い保険料総額を現状の1割増以内に納めることを条件として賠償金額を現在額3億から増額を認める」と結論づけたことについて、私は敢えて異議を申し立てた。
 
 まずは、この件に関する討議自体の不備について
1.結論を急いだ・・・会計支出に係わる問題を、問題提起して同日に結論づ
  けるのは不適切。
2.情報不足・・・多くの役員が詳しくないテーマに、会長の得た情報のみで
  判断を迫られた。
3.討議手続き上の不備・・・異論を問うことも無く、採決もせず、段階を経て
  結論に至っていない。

 特に、情報不足ゆえに疑義、異議があっても発言する自信も無く、結論を急ごうとする議長(会長)の意図に添って、採決らしい採決も無く結論に流れていってしまったことを、議事録係として自分も反省している、というところからはじめ、この1ヶ月、自分なりに調べたり詳しい人たちのアドヴァイスも受けて、前回の結論への疑問が生じているので、一度全ての役員に聞いて貰いたい、と提起した。

 以下については、発言の許可を貰った上で、個人的異議として次のように話した。

1.賠償金額の増額には疑問である。

 ・確かに「権利能力無き社団の損害賠償はその構成員が担う」というルー
  ルは法律上存在し、町内会は法人格を持たない「権利能力無き社団」
  に該当し、役員個人が「その構成員」に当たる。調停委員に確認。
 ・ただし、それはあくまで町内会が組織として責任賠償を負う事態に陥っ
  た場合の話である。このような善意の一種奉仕団体で、行事として餅
  つき大会ただ一度しか行っていないような状況下、3億(市の保険と合
  わせれば5億だった)の賠償額でも不足するほど莫大な金額に値する
  ようなどんなエラーを犯せるものか?あまりにも飛躍したリスク想定。
 ・掛け金が僅かであるからと言うが、保険金に対する保険料の料率とは、
  保険業界が、過去何十年という実績に基づいて算出している。賠償金
  額の保険料率は0.0001、傷害保険の料率の100分の1である。これは
  つまり、殆ど支払う可能性が無い、ただの契約者の安心料、捨て金に
  過ぎない。保険料が安いからと増やしたところで全くの無駄。
 ・しかも、この増額の目的は何か?役員の個人資産のリスク回避では
  ないか。どんなに少額であっても、町内会計からの支出で支払うのは
  不適切ではないか?
 (保険屋のアドバイス:個人資産が心配なら、各自入っている損害保険の
  特約で個人賠償を”無制限”で設定して掛けておけば良い。それこそ自
  腹で、いくらでもないから。)

2.傷害保険をより充実させるべきである。
 ・「傷害保険は我々役員のためのものである」という会長の説明には重大
  な誤認がある。この保険の契約者はこの地区の町内会である以上、被
  保険者は住民全てであり、役員か非役員かは問題では無い。
 ・事故に際し傷害保険部分こそ、この保険契約の要の役割を担うことを見
  落としている。
 ・賠償とは違い、事故原因が何にあり誰の責任かを問わず、あくまで被
  害に対して支払われる。
 ・ある保険会社のモデルプランでは、損害賠償の1割の傷害死亡金額を
  設定している。これに当てはめると、賠償3億なら傷害死亡は3千万と
  なるが、実際は300万で10分の1に過ぎない。
  入通院も含めて、あまりにも住民のリスク軽視ではないだろうか。
 (保険屋のアドバイス:契約者の考え方次第で設定する。傷害の実際は、
  死亡や入院するような大きな事故はこの種の団体では殆ど無く、ちょっ
  とした怪我で通院というケースが殆どである。また、住民全員に365日
  の補償をつけるというより、行事のある1日だけ、とか、ある役割の人だ
  けにスポットで掛けることが傷害保険では可能なので考えてみては?)

3.(提案)判断を助ける、法律顧問のような人を設置してはどうか
  これは議長である会長が偏った考えを持った場合の会全体のリスクを
  思い知ったから。

 以上の内容で発言して、会長が「傷害は無くてもいいと言ったのはあくまで市の保険があるという前提のもとの話だ」「傷害を増やせっていうのはあるかもしれない」と言うところまでは聞いて、残念ながら退席しました。
 この日、実は近隣の市の音楽祭が開催中で、午後、合唱団の一員としてステージを抱えていたためです。本当はこの保険の問題が無ければ、すっぱり欠席していたんだけれどなぁ。

 午前中は町内一斉清掃だったし、充実してはいたけどすごく疲れた一日でした。
 本当は合唱の打ち上げ会にも参加するつもりだったんだけど、さすがにそれはキャンセルして、演奏を聴きに来てくれた家族の運転する車で真っ直ぐ帰路につきました。

 合唱の出来はイマイチだったし、何だか「楽しい」といえることは殆ど無かったような。
 骨折り損のくたびれ儲け、とまでは言わないけれどね。私らしい一日、ってことで。

<12月5日付記>
 結局、私が退席した後、この会では私の提起は「間違いである」とされ、却下となったとのことです。

 責任賠償保険を増やすのは役員だけを守るのでなく(役員は住民が回り持ちするのである以上)全住民のためでもあるから、という理由だそうです。だからそんなことになる可能性がいかに低いか、寧ろ傷害保険が薄いとどれだけ住民皆にとってリスクになるかっていうことをあれだけ言ったけど、結局わからないのね。
 私に言わせればそんなのは「屁理屈」ですが、皆が私の話を聞きいた上で討議した結果そういう判断をしたなら、致し方有りません。どうしようも無い人たちだと思いますが、これ以上言っても無駄だから放っておきます。