その上、参加希望者が当初のリビングでは入りきらなくなったので、食堂に移して開催して欲しいとの申し出。嬉しいお話である。
これほど喜んでくださるなら、他の施設や、あるいは自分の住んでいる地域でも(居住者の高齢化が進んでいることだし)同じような、「愛唱歌を歌って楽しむ」趣旨の集いが出来ないものかと思っていたところ・・・
いつもワンちゃんのお散歩途中に、我が家の生け垣の隙間から庭のバラを覗いていくお父さんの奥さんが、音大出で声楽家だと知る。私もコーラスにハマっているので意気投合して話すうち、最近地域のコミュニティセンターとして開放された施設に、防音と電子ピアノが備え付けられていることから、彼女やそのお仲間による声楽のコンサートと、私の、素人が皆で歌って楽しむ集いとをコラボさせた会を定期的に開こうという話になった。定員がたった30人なのだが、その程度集まれば十分ということでチラシを作成してPRしている。
この歳になって今更目立ちたくてやるわけではない。寧ろその逆で、今からそんなこと始めちゃってどうするの?という処はある。でも、千葉という処に住んでやっと10年、町内会役員をしてみて少しだけ知己が増えてはいるのだが、そうでもなければ全く「隣は何をする人ぞ」数件向こうに離れたら、もう皆目、顔も名前もわからない。これでいざ大災害に見舞われて、安否確認と言ったって避難所生活と言ったって、スムーズにことが運ぶわけがないと思う。そんなことになる以前に、少しでも人と人の絆を強めておきたいと思う。夫から「何でそんなことを。目的は?」と聞かれて即座に「親睦」と答えた。
人と人が絆を深める一番は「飲食」を共にすることだろう。「スポーツ」もある。そして「音楽」と呼ぶには及ばないかも知れないが、思いをメロディーにのせた「歌」は人を繋ぐのにとても有効なツールだと思っている。
高齢化してなかなか外に出ようという意欲がなくなると見え、孤立していく家庭も少なくないというのが現実だが、音楽には癒やしの効果もあるので、極力私の担当する「皆で歌おう」部門では、楽譜が読めなくても、声が出なくても、対応できる形を目指したいと思う。歌詞カードと生ピアノの伴奏ーーオーケストラの録音ではなく、高さもスピードも、どの曲を何番までか、前奏間奏も自由に決められる、これがミソ。
思う時期に会場予約が取れたので、とりあえず4月早々に第1回を<春の会>として出来ることになった。古稀を前に、私自身のチャレンジでもある。